自分らしさを取り戻し、穏やかに笑顔で過ごすための漢方習慣

東京で漢方相談を行っています♪ こころの不調、月経前のイライラや落ち込み、月経痛などのご相談を承っています!

症例①(月経前の不調)〜その1 患者さんプロフィールと治療方針〜

月経にまつわる不調で悩んでいる方の中には、

「そういうものだ」「仕方ない」と諦めている方も多いのではないでしょうか。

 

漢方薬を試して見たいと思っても、始めるハードルが高い、イメージが沸きにくい…などの理由から、なかなか踏み出せない方もいらっしゃると思います。

 

そこで今回は、治療経過を書き記すことで、

どのように体の状態が良くなっていくのかイメージして頂きたいと思います。

掲載承諾をくださったG様、ありがとうございます。

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G様 38歳(初回来局時)

主訴:月経前の、胸の張り/腰痛/気持ちの不安定さ

初回:X年X月X日

問診:

5年ほど前から、月経前に腰痛や肩こり、胸や脇の下の張り/痛みが出るようになった。

それ以前にも肩こりや頭痛はあったが、5年ほど前から顕著に症状が出るように。また、同時期から、気分の落ち込みが月経前に毎回出るようになり、泣いたり喧嘩が増えたりするため、なるべくその時期は人に会わないようにスケジュールを調整していた。

◆月経痛…1日目にあり、痛み止めを1回程度飲む

◆月経周期…25〜28日

◆経血の量…2日目に多い

◆経血の質…血塊が最近混じるようになった。貧血を自覚しているときは特に多く混じる。病院から出されている鉄剤を飲んでいる時はサラサラしているが、そうでない時は粘稠性がある。

◆胃腸…食欲は問題なしだが、貧血の薬(鉄剤)で胃が荒れている感じがある。甘いものが好きで、月経前は特に甘いものや味の濃いもの、しょっぱいものが食べたくなる(ラーメン、チョコレートなど)が、我慢している。

◆便…便秘と下痢を繰り返す。35歳をすぎてから月経前にお腹が張るようになった。月経中は下痢をする。

◆睡眠…23:00-7:00。なるべく0時前には寝るようにしている。月経前はよく寝る。寝つきは悪くない。日によって睡眠が浅い時がある。夢はたまに見る。

◆その他…口の渇きはないが、貧血を自覚しているときに氷を食べたくなることがある。頭痛・肩こりは月経前以外にも雨の日にも感じる。末端の冷えやお腹の冷えが気になる。

 

望診:顔色は白め、目の下にクマ、唇の色が暗い

舌診:苔薄白、暗紫

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弁証:肝鬱気滞、気血両虚、瘀血、腎陽虚

治療方針:疏肝理気補気養血、活血、補腎

解説:

この方の場合、20代の頃は大丈夫だったのに、33歳〜35歳以降にかけて不調が出てきているのが特徴的だと考えました。女性は7の倍数で体が変化すると考え、特に35歳以降は、生殖やホルモンに関わる「腎」という臓器が弱ってくることで、月経の不調が現れることがあります。月経周期が少しずつ短くなってきているのも「腎」の弱りの特徴の一つとして考えます。ですので、まず「腎」を補い、女性ホルモンのバランスをしっかり調整する必要があると考えました。

また、中医学には、「女性は血をもって本となす」という言葉があります。女性が生き生きと健康的に過ごすためには「血」が重要であり、体づくりの基本になる、というような意です。身体に「血」が十分にあると、顔色が良くなり、髪の毛や爪、肌が艶やかになり、目がしっかり見えるようになり、精神が安定すると考えます。

もともと貧血があられることや、血を作り出す胃腸が強くない印象を受けたため、しっかりと「血」を補うことが重要であると考えました。ただし先述の通り、この方の場合は、恐らく「血」を補うだけでは足りず、「腎」を同時に強化していくことが大事だと考えました。

 

更に、もうひとつ気になるのは血流の問題です。ホルモンを運んでいるのは血液。血流が悪ければ、いくらしっかり栄養を補っても、必要な部位に栄養が届かず、臓器がうまく機能することができません。血流が悪いサインは、目の下のクマ、唇の周りが紫色を呈していること、肩こり頭痛/腰痛があること、経血に血塊が混じっていること、等です。

あとは主訴である月経前特有の諸症状。今まで述べた部分をしっかり補うだけでもだいぶ改善されるだろうと考えましたが、月経前は気の巡りが悪くなる「気滞」という症状が顕著に現れる時期なので、その対策も同時にしておきたいと考えました。「気滞」の症状は、「張って痛む」「情緒面が不安定になる」などが特徴です。巡りを良くして、月経前に出やすい身体と心の不調をケアしたいと考えました。

 

しっかり補ってしっかり流す。

これがきちんとできれば体は確実に変わってくると思い、2週間分でお薬をお出しすることにしました。2週間で大きな変化を期待すると言うよりも、まずは漢方薬の味や服用を続けられそうかどうかを確かめるためです。

その方のご年齢や体質にもよりますが、まずは3〜4ヶ月を一つの目安に服用いただくことをお勧めしています。西洋医学でも血液の生まれ変わりは120日と言われるのと、一発でお身体に合うお薬を見つけると言うよりも、仮説を立てて→お薬をお出しして→身体の反応を見て→また仮説を立てて→お薬をお出しすると言うのを繰り返し、3〜4ヶ月目あたりに、ピタッと合ってくるのを実感しているためです。

 

では次の記事で、この方がどのように変わっていったかを見てみましょう。

 

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